2025年度使用 中学校社会科教科書(歴史・公民)の身分制・部落問題記述の問題点と課題

(タイトル)2025年度使用 中学校社会科教科書(歴史・公民)の身分制・部落問題記述の問題点と課題

 2025年度から使用される中学校社会科の歴史的分野・公民的分野の教科書の身分制・部落問題記述について検討します。大きな課題が残っています。

 中学校社会科の歴史的分野・公民的分野で検定合格したのは歴史で9社、公民で6社です。発行会社名は左記()内の文部科学省「教科書目録」掲載の略称を使用します。

 東京書籍(東書)、教育出版社(教出)、帝国書院(帝国)、山川出版社(山川)、日本文教出版社(日文)、自由社(自由社)、育鵬社(育鵬社)、学び舎(学び舎)、令和書籍(令書)(※ 山川学び舎令書は歴史的分野のみ 令書は再提出により、初めて検定合格とされました。)

第1部 公民教科書

1.新たな差別を生む教育啓発

 2020年6月に法務省人権擁護局から『部落差別の実態に係る調査結果報告書』が出されました。「旧同和地区出身者」を前提にしていて大きな問題です。それでも、教育・啓発が新たな差別を生むものとなっていることがわかります。

① 「部落差別(同和問題)を知ったきっかけ」は、「学校の授業で教わった」が最多の44%、 20代以下は70%以上。(報告書 p.117)

② 「部落差別はいまだにある」と答えた人の大部分は、実体験以外でそのような認識を得ている。(同 p.155)

③ 概して、啓発を受けた経験があると答えた人が、啓発を受けた経験がないと答えた人に比して、「気になる」の割合が相対的に高い。(同 p.157)

2.教科書では展望が見えない

(1) 部落問題とは何かが教科書ではわからない

 「部落差別は被差別部落出身者に対する差別」(東書教出)など各社とも「被差別部落出身者」という言葉を使って説明しています(帝国日文育鵬社)。しかし同義語反復です。「被差別部落」とは何か書いていません。資料として同和対策審議会(同対審)答申をあげていますが、答申には「同和地区」とあり「被差別部落」はありません。自由社育鵬社は「部落差別」の説明がありません。

(2)「被差別部落」を実在と誤解させる

 「被差別部落出身者」と書くことは、「被差別部落」を実在と誤解させます。執筆者は、おそらく実在していると思っているのでしょう。生徒から「被差別部落」はどこですかと聞かれたら、どう答えるのでしょうか。「『先生が知ってるから、先生と一緒に行ってみるか。友達にも声かけて一緒にいこか』というのでよいではないか」という人がいます。(1)

 民主主義と人権を守る府民連合(民権連)(2)は大阪府教育委員会に「生徒から被差別部落はどこですかと聞かれたら、先生はどう答えるのか」と質問、府教委の担当者は「それは昔のことで、今は被差別部落なんてないよといいます」と答えました。当然のことです。

注 (1) 森実『学び!と人権 <Vol.08>』2022年1月5日 日本文教出版のホームページ掲載のWebマガジン
森氏は日文の歴史、公民教科書の著作者に名を連ねている。

注(2) 民権連は全国人権連加盟の大阪の組織。2022年に終結。『民権連通信』号外2015年2月

(3) 同対審答申は60年前の話

  すべての教科書が同対審答申を紹介していますが答申にもとづいた特別対策は終了しています。答申は60年以上前の状況をもとにした文書です。今日の地域はまったく様相を異にしており、それを現代社会の課題として示すことは大きな誤りです。

(4)「被差別部落出身者」とは誰か、説明できない。

 教科書は「被差別部落出身者」といいますが、そもそも誰がそれに該当するのか、定義がありません。いえ、定義できないのです。

 大阪府教育センターが作成した冊子(1)では「誰が『同和地区の人』なのか、誰も説明できないのです」と書いており、民権連との交渉で府教委の考えだと説明しました。ある意味正直です。

注(1)  『安全で安心な学校づくり人権教育 COMPASS4』96頁 大阪府教育センター 2014年 (『民権連通信』号外2015年2月)

(5) 差別の解消を全く書かず展望示さず

 東書は「部落差別は被差別部落出身者に対する差別のことで、この問題は同和問題ともいいます」と書いたあと、「江戸時代に差別されていた、えた身分、ひにん身分」が明治時代に廃止されても「就職や教育、結婚などの面で差別は続き」、水平社結成、同和対策審議会答申、同和対策事業を説明した後「しかし今もなお差別は解消されておらず(略)部落差別解消推進法が制定されました」と続けます。帝国教出日文も似たようなものです。

 今は、先祖がだれであったか、どこに住んでいるかなどで差別する人はいません。心得違いの人はいますが、社会では通用しません。そういう社会になっていることを書いていません。

 日文だけは江戸時代のことを書いていません。日文は歴史教科書で、「明治以後のこの問題を部落差別とよんでいます」と注記しています(p.177)。そのとおりでしょう。公民教科書も明治以後しか書いていません。

(6) 差別を乗り越えた話を暗い話にすりかえ

 帝国のコラムは、差別を克服し祝福されて結婚した手記の、はじめの反対された部分のみ引用し暗い話として描いています。手記原典のタイトルは「山を動かした寛子さん」。「山を動かした」話こそ学びたいところです。

(7) 育鵬社の異様なコラム

 育鵬社はコラムで西光万吉が「高天原を理想とした」と書いて、「西光万吉の理想とする社会は現在、実現したのでしょうか。」と課題にし、神話に導きます。

(8) 教える→意識する 悪魔のサイクル

 内閣府の「人権擁護に関する世論調査」にもとづくグラフを教出日文が掲載しています。

 「部落差別・同和問題に関し、体験したことや、身の回りで見聞きしたこと」で「交際や結婚を反対されること」は40.4%。実は「見聞きした」は「学校の授業で教わった」ということで、教えた結果がこのグラフです。そしてこのグラフを教科書に掲載し、授業で教えます。新たな差別はこうして作られます。悪魔のサイクルです。

第2部 歴史教科書 依然として特殊化・肥大化がはげしい

中学生に賤民を詳しく教える必要はない

 1974年の中学校歴史教科書に江戸時代の賎民について記述され、その後の改訂で詳しくなりました。そんなことは必要ないのです。大事なことは武士と百姓、町人の身分の別とそれによって暮らしがどうだったのかがわかればよいのではないでしょうか。

 近現代の賎称廃止令(いわゆる「解放令」)、全国水平社の結成についても、中学生に教える必要があるとは思いません。現代の課題で同対審答申を引用し、いまだに部落差別が残存しているかのように書くのは誤りです。

 部落差別解消推進法を理由に「部落差別は存在する」という主張があります。しかし法には「部落差別」の定義はなく、部落差別があることを子どもたちに教え続けよとは書いていません。法の参議院附帯決議は「教育及び啓発により新たな差別を生むことがないように留意しつつ、それが真に部落差別の解消に資するものとなるよう、その内容、手法等に配慮すること」と指摘しています。部落差別が今もあると描き、部落問題を特殊化・肥大化した教科書は「新たな差別を生む」ものです。

1.室町時代の「河原者」

 室町文化で、なぜ「河原者」だけが特別扱い

 東書 旧教科書のコラムは「河原者」の説明に221字、竜安寺石庭に41字。それでもこの改訂で河原者が短くなり、はじめて「枯山水」という言葉が登場しました。コラムに「人権 平和」とつくのもおかしな話でした。2025年度使用版では「人権 平和」は消え、河原者の記述はさらに減りました。それでも、本文の説明は造園者が誰かというものです。「河原者」を京都周辺に限定しました。「井戸掘り」や「庭園造り」をケガレから外しました。

 枯山水より河原者の記述が圧倒する室町文化の記述は、日本史学習としては偏っています。

 しかし同じ東書の高校教科書『日本史探究』では善阿弥を「同朋衆」とし、かれのもとで現場の作業についた人々を「山水河原者」と書いています。この違いをどう説明すればよいのでしょうか。

 教出日文育鵬社もコラムで河原者を書いています。帝国は巻頭口絵、本文、コラムで書いています。山川自由社は記述ありません。学び舎もコラムで書いていますが、「銀閣をつくったひとびと」の中で、庭造りにあたった人を2行で触れているだけです。

帝国は「未来に向けて」というコラムに「人権・多文化」という注釈をつけています。人権を賤民身分に矮小化するものです。「河原者」のコラムでわざわざ「死刑」を取り上げ、図まで添えているのはいかがなものでしょうか。「なお『けがれ』は、近代以降に生まれた不衛生という考え方とは異なります。」と注釈していますが混乱させるだけでしょう。

2.江戸時代の身分制

 「えた」「ひにん」身分の説明について、生業(なりわい)(仕事)と役(負担)の区別がされていない教科書があります。「死んだ牛馬を処理する権利をもち」(教出)は誤りです。権利ではなく役務、義務でした。「牛馬の解体」などで生活した(東書)といいますが、牛馬の解体は毎日あるわけではありません。斃牛馬の処理は役であり、解体や加工はその代償であったという面を見落としてはなりません。以前から従事していた皮革業や雪駄生産などの生業とは区別すべきです。仕事と役の区別をしっかり書いているのは、学び舎だけです。

 前近代には、全国にわたって普遍的、横断的な身分というものは存在しません。あくまで局地的な性格をもっています。帝国も「差別された人々は、地域によってさまざまな呼び名や役割で存在していました」としています。学び舎が「かわた(長吏)」の語を使ったのもよいことだと思いますが注釈のないのは不親切です。

 「えた」という蔑称の身分が江戸時代の初めからあったわけではありません。教出が書くように「支配に都合よく利用されて徐々に強められ」たもので、帝国も「江戸時代中期から…百姓や町人とは別の身分として位置づけられました」と中後期になって身分とされたと正しく書いています。住む場所や職業、服装などの規制は武士、百姓、町人などそれぞれの身分ごとに及んでいました。それが身分社会というものです。賤民身分だけが統制されたというものではありません。

 帝国は室町時代のところでことさらケガレを強調していますが、江戸時代のコラムで「死に関わっていても、医師や僧侶、処刑役に従事した武士などは差別されなかった」と書き、結局「ケガレ」ってなんなのと言うことになります。

 日文は江戸時代後期に「えた」身分のなかに豊かになる者があらわれ、身分制がゆるんだので、差別が強化されたと書いていますが、豊かになるものは百姓、町人にもいます。「えた」を強調する必要はありません。

 自由社育鵬社令書は「えた」と「ひにん」の区別や、役と生業の区別もなく不適切です。

3.江戸時代の身分別人口グラフは根拠なし

 どの社も関山直太郎『近世日本の人口構造』を典拠としています。同書は「幕末における身分別の人口構成は、武士六~七%、百姓八○~八五%、町人五~六%、神官僧尼一・五%、エタ・非人一・六%」(p.323)と書いています。この数字で円グラフは描けません。秋田藩を扱う山川以外はどれも適当に作図した根拠のないグラフです。

4.解体新書

 「蘭学事始」をもとに執刀した者の記述の方が多い教科書は異常です。山川や特に学び舎は蘭学の発展に果たした『解体新書』の役割をきちんと書いています。

5.渋染一揆

 すべての小学校6年の教科書(東書教出日文)に掲載され、中学校でも東書教出帝国日文がとりあげていますが、特別扱いは疑問です。

 日文だけは摂津河内の国訴とならべ「このように,19世紀のなかばごろから,社会の枠組みをこえて,自由な経済活動や平等な社会を求める動きが盛んになりました」と「世直し一揆」の位置づけをしています。

 山川自由社育鵬社学び舎令書は記述ありません

6.明治維新 太政官布告

 学び舎が「古い身分の廃止と新しい身分」と小見出しをつけ、「解放令」と書かずに、「『えた』『ひにん』などの呼び方を廃止して、平民としました」としているのは、身分制の改革と賎称廃止の布告内容を正しく伝えるものになっています。

 帝国は、1871年太政官布告について「いわゆる『解放令』」を「いわゆる『解放令』または『賤称廃止令』」と「賤称廃止令」を挿入しました。2021年使用東書に続くものです。

 山川は「称を廃止し」と書いています。教出日文育鵬社は「呼び名を廃止」と書いていません。帝国は、明治以後の記述に賤称を使いません。太政官布告を尊重しているように見えます(と評価したいのですが、前述のように帝国の公民教科書では残念)。

 「解放令」をよりどころに差別からの解放への動きがあったことを書いているのは東書教出日文

 日文だけが「明治以降のこの問題を部落差別とよんでいます。」と書いています。これはそのとおりです。「部落問題学習」として江戸時代以前の賤民の学習が一部で流行していますが、それは身分制の学習であって部落問題の学習ではありません。

 単に「身分制度の廃止」とするのは、明治以降の新しい身分制度を無視するもので不適切です。

7.全国水平社

(1) 異常な水平社の特別扱い

 1920年代の社会運動の記述は、水平社だけが特別扱いです。

 東書の場合、本文で労働組合4行、図版2点。農民組合2行のみ。一方、水平社は本文で小見出しと5行、図版2点、側注2点。さらに見開き2ページを使って「『解放令』から水平社へ」というコラムを載せています。

 今回は日文東書にならったのか見開き2ページを使って「水平社の創立とさまざまな人権運動」を掲載、すさまじい偏向です。

 どの教科書も人口の8割をしめていた農民の状態がわかる資料は極めて少ないか、ありません。

(2) 説明なしの用語「被差別部落」

 東書帝国山川日文育鵬社学び舎が、ここでいきなり「被差別部落」という言葉を使っています。山川だけが側注で「江戸時代にえた・ひにんなどと呼ばれ、差別された人々が住まわされたことによって形成された集落」と説明しています。他社は説明がありません。

 東書教出育鵬社自由社学び舎は「部落差別」という言葉を使っていますが説明がありません。

 令書は「全国水平社による部落解放運動」と一言書くだけで説明はまったくありません。

 帝国は「差別された人々は」と書き、「部落差別」は出てきません。2016年度使用教科書の本文には「みずからの手による部落差別問題の解決をめざして」と書いていましたが、2021年度使用教科書では「みずからの手による平等な社会の実現を目指して」と修正しています(2025年も)。子どもたちにわかりやすい適切な文章となり、評価できるものです。一方、コラムの中で、2021年度使用教科書では「差別されていた人々」と書いていたところを2025年度使用教科書では「被差別部落の人々」と書き換えています。

東書は見開き特設ページで、「解放令」(「賤称廃止令」)、部落改善運動、水平社運動と山田孝野次郎、靴の製造や道具、旧柳原銀行、島崎藤村と『破戒』を掲載しています。

 「江戸時代まで被差別部落の主要産業で、大きな利益をあげていた皮革産業」といいますが、それは特定の地域のことで一般化できる話ではありません。部落改善運動から水平社への説明は専門的な内容です。部落改善運動と水平社運動の違いなど中学生にわかるものではありません。この見開きは、部落解放運動史の一部ではあっても、中学生の歴史学習の一部にふさわしいとはいえません。

(3) 特異な日文の見開き特設ページ 新たな差別を生むもの

 日文は今回見開き特設ページを挿入。内容は水平社運動史ともいうべきもので大人が読んでもむつかしい内容です。賤称語を紹介していることは看過できません。「あえて自らに対して『特殊部落民』を使い、自らに誇りをもって運動に立ち上がることをよびかけました」という説明は差別的でなければ用いてもよいという誤解を招きます。

 民権連の指摘やそれを受け止めた大阪府教委の努力などもあってか、実教の高校教科書から「特殊部落」という言葉は消えました。日文に新登場したことは厳しく批判されるべきでしょう。

水平社宣言を「『日本で初めての人権宣言』といわれる」というのは、誰によっていわれるのか聞いたことがありません。「『人権宣言』とは、いうまでもなくフランス革命の人権宣言を典型とする近代諸国の人民の権利の宣言である。その意味での日本の人権宣言は日本国憲法である。」(1)

注(1) 広川禎秀大阪市立大学名誉教授(『全国水平社創立100周年記念講演会記録集』大阪歴教協他編 2022年)

 学び舎は「全国の特殊部落民団結せよ」と書かれたポスターを掲載しています(東書高校「日本史探究』、実教高校「歴史総合」も)。「特殊部落民」という言葉を教科書に掲載するのは不適切です。

 令書は部落解放運動と言葉だけで説明がありません。

7.戦後 部落解放運動の再建

 東書教出は「部落解放運動が再建され」、日文は「部落解放全国委員会が再建され」と書いています。「部落解放」は今日では特定の運動団体のものとなっています。「部落解放」の名で「ゆきすぎた言動」があり、新しい差別を生むことになったことを銘記すべきでしょう。

 帝国山川自由社育鵬社学び舎令書は記述ありません

8.現代の課題

 東書は「部落差別の撤廃など、人権に関する課題もいまだ残されています」としています。

 教出日文は「国民的課題です」と60年前の同対審答申をそのまま今の課題であるかのように繰り返しています。進歩を語らず未来への展望を語ることができないとしたら、それは子どもたちにふさわしい教科書といえるでしょうか。

 帝国自由社育鵬社学び舎令書は記述ありません。

9. 教科書記述のさらなる改善を

 賎民身分の社会的差別について、中世の賎民身分がどのようにして、江戸時代に幕府や藩に把握されたのか、そのことによって多様な賎民身分がどのような生活を強いられることとなったのか、中学生にわからせることはたいへん困難なことです。無理をするべきではありません。

 それよりも政治起源説や職業起源説に陥らないようにすることが大切です。

 部落問題の克服・解消が進んでいるのに、それを反映した教科書はありません。そのことこそが教えられるべき内容です。これも歴史ではなく公民的分野の課題です。

 学び舎の教科書は、他の教科書にくらべると、扱う項目も少なく、記述量も多くありません。それでも不要な記述があります。歴史的分野だけの教科書ですから、戦後の部落問題や部落差別の解消について書く必要はありませんが、「部落差別の廃止と人間の尊厳の回復をうたう『水平社宣言』が読み上げられました。」と本文で書き、山田少年の演説と写真や「特殊部落民」とあるポスターを載せるのは、「新たな差別を生む」(参議院法務委附帯決議 2016年12月8日)ことになりかねません。

 まだまだ特殊化・肥大化は続いています。子どもたちにとって、教科書の記述はたいへん重要です。基本的事項についての理解が進むように、簡潔で、わかりやすい記述が求められます。学習指導要領にもない事項を克明に書けという締め付けはないはずです。教科書の記述内容の改善を求めるとともに、「新たな差別を生むことがないように」どう扱うかは慎重に検討し実践しましょう。

(柏木 功/大阪教育文化センター「部落問題解決と教育」研究会代表)

パンフ『子どもからはじめるインクルーシブ教育』

問い合わせ先:info☆nginet.or.jp
申し込み先:全障研大阪支部 大島悦子  1954.e.rengeso☆gmail.com
    メールは☆を@に替えてください。(迷惑メール防止のため☆で表示)

パンフレット
子どもからはじめるインクルーシブ教育
―『共同教育』50年の歴史を次世代に―」
著:全国障害者問題研究会・共同教育研究プロジェクト
頒価:200円

 「…交流の形態や内容は多様です。なぜならば、子どもの実態、学校の実態、地域の実態は様々だからです。多様な形態・内容であっても、子どもたちが心待ちにする取り組みには共通点があります。
実践を持ち寄り検討し、何を大切にしているのかを学び合い、蓄積してきたのが「交流・共同教育、障害理解学習」分科会です。検討を進める中で、何もかもを「交流」の中に求めていくのではなく、子どもたち自身が活動し実践する場面と、新たな知識を獲得し認識を変革していく学習の場面とに区分してとらえ、それぞれにねらいをもって取り組みを進めていくことの必要にも気づき、実践を発展させてきました。
 ・・・今、学校現場で教育実践を作り上げているみなさんと分科会で培ってきた内容を共有し、新たな実践を提案してほしいと願っています。
・ ・・通常学級に居さえすればインクルーシブ教育だという潮流の下、障害児が求める教育そのものから排除されている状況が全国に広がっています。中でも、2022年4月27日の文部科学省の「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)」は、教育の場からの排除に拍車をかけています。
 こんな今だからこそ、子どもの願いに耳を傾け、しっかり受け止める教育、仲間の中で育ちあう教育が求められているのではないでしょうか。
 この小冊子が、日々悩み、どこかおかしいぞと思いながら、子どもの発達に心を砕いている先生たちと共に考え合う始まりになることを願っています。」(「序章 パンフレット発行にあたって」より)
 このパンフレットは、「共同教育」パンフの第1弾です。続くパンフの発行にご期待ください。

ブックレット『部落問題の解決』

ブックレット『部落問題の解決』

データが示す 「部落」? そんなものはない
部落差別解消推進法は特別対策復活の根拠にはならない
府も法務省も  新たな差別を生む「人や地域を特定した調査はしない」

■ 頒価 500円 2024.1.10.発行
 A5版/並製/128ページ
 書店では販売していません。
 申込は 大阪教育文化センターまで
 TEL 06-6768-5773  FAX 06-6768-2527

■専門用語を使わずに、平易な言葉で、部落問題のそもそもを説明。
 部落問題解決の到達点や「部落差別解消推進法」について、行政のデータや資料を豊富に引用。
 本書で示した「そもそも論」や客観的なデータは部落問題の解決に確信が持てるものです。

■本の内容
はじめに
第1部 部落問題とは その解決とは
1.部落問題とは何か
2.部落問題の解決とは何か
3.部落差別は根拠のない差別
  垣根をとりはらうことで解決
4.部落の歴史 起源を考える
第2部 大阪府人権局の調査が明らかにしたもの
1.対象地域の人口減と構成の変化
2.対象地域は多様、ひとくくりにできない
3.課題が集中している地域は対象地域以外にもある
4.対象地域で見られる課題は、必ずしも全てが
  部落差別の結果と捉えることはできない 
5.人や地域を特定した調査はできない
第3部 部落差別解消推進法のトリセツ
1.部落差別解消推進法成立への経緯
2.条文の検討
3.附帯決議は部落差別解消の姿勢を問う試金石
  歴史の到達点はゆるぎない
第4部 「新たな差別」を許さない
1.部落差別解消推進法は
  特別対策復活の根拠にはならない
2.部落問題解決の到達点を踏まえよう
3.新しい差別との闘い
第5部 資料
大阪府人権局『旧同和対策事業対象地域の課題について』
法務省(依命通知)「法務省権調第123号」
部落差別解消推進法・附帯決議

『部落差別解消推進法のトリセツ』を発行しました

『部落差別解消推進法のトリセツ 部落問題解決の到達点はゆるぎない』

『部落差別解消推進法のトリセツ』 部落差別解消推進法を口実にした動きが続いています。しかしこの法律は、決して逆流の根拠とはなりません。国会審議やそれを凝縮した形での附帯決議、その後の法務省や大阪府・大阪市など行政の動きなどもふまえて、この法律をどう読み取ればいいかを明らかにしたブックレットを作成しました。

(書店では扱っていません。直接、大阪教育文化センターに注文してください。)

頒価500円  2023.1.23.発行  A5版/本文84ページ

■大阪教育文化センター TEL  06-6768-5773 FAX  06-6768-2527

内容

※「トリセツ」とは取扱説明書のこと

はじめに

1.部落差別解消推進法成立への経緯

(1) 法律の根源的な矛盾 「こんな法律は早くなくなるのが望ましい」

(2) 法制定の背景

(3) 国会における審議の主な流れ

(4) 主な質疑

(5) 運動団体の行き過ぎた言動批判 地対協意見具申が国会決議に

(6) 孤立した「部落解放同盟」

ア.自民・民進・共産党議員が暴力糾弾を批判

イ.自・民・共議員が「解同」を批判 反省のない「解同」

ウ.「解同」のごまかしと策動 条例を要求していても「考えはない」と

エ.差別糾弾闘争は部落解放運動の生命線

オ.結婚問題 自由な意見交換こそ 法律で何ができるか答えられず

カ. インターネット この法律でも削除できない 言論には言論で

2.条文の検討

(1)法1条2条

ア.「部落差別」を定義できなかった法律

イ.自民党内部で定義がまとまらず削除されたという

ウ.定義を置かずとも明快と支離滅裂の答弁

エ.「部落の出身」を持ち出すことの矛盾

オ.法務官僚の知恵 「部落差別」とは「同和問題」

カ.条文にない定義を「調査研究報告書」が「理解」

キ.採用しなかった「部落の出身であることを理由にした差別」

(2)「禁止」ではなく「部落差別は許されないもの」と規定

(3) 法第3条

ア.この条項を口実に拡大解釈をねらう「解同」

イ.大阪府は「解同」の要求を受け入れない

ウ.法にいう施策は3点のみ

エ.財政出動はない

オ.自治体から財政要望

(4) 法4条

ア.大阪府の相談事例

ウ.人権総合相談事業交付金の行方に疑問 大阪府の場合

(5) 法5条

ア.人権教育・啓発推進法に定めるものと異なる手法を想定していない

イ.教育はワクチンではない

ウ.教育により新たな差別を生むことはあってはならない

エ.6条調査が示すもの 頻度と内容の検討を

オ.意識調査が示す逆効果

(6) 法6条

ア.どんな調査をするのか発議者にイメージはなかった

イ.荒唐無稽な「解同」の要求 大阪府は拒否

ウ.範を示した大阪府人権局『旧同和対策事業対象地域の課題について』

エ.人や地域を特定しない

オ.「部落差別の実態」に係る調査、実態調査ではない

カ.学校教育現場における実態調査は行わない

キ.法制定時に予定されていなかった新法を検討する調査ではない 69

ク.「解同」 大阪府を法務省を「新たな寝た子を起こすな論」として攻撃

3.附帯決議は部落差別解消の姿勢を問う試金石

歴史の到達点はゆるぎない

(1) 附帯決議の意味

(2) 「解同」は附帯決議をどうとらえているか

ア、『解放新聞大阪版』のコラム「水平線」は附帯決議にかみつく

イ.「解同」やその系列の刊行物では附帯決議無視

ウ.逆流の手口 無視と字面でごまかす

エ.「解同」、自民党の軍門に降る

(3) 附帯決議に対する態度は、部落差別解消の姿勢を問う試金石

(4) 歴史の歩み、解決の到達点はゆるぎない

ア.地域の変化

イ.行政の対応の変化

資料 HP「人権教育事典」

部落差別の解消の推進に関する法律・衆参議院附帯決議

『続・学びなおしの部落問題』を発行しました

『続・学びなおしの部落問題』-「部落問題学習」の押しつけで新しい差別を生むことのないように-

『学びなおしの部落問題』刊行から3年。その後、法務省の「依命通知」や「部落続・学びなおしの部落問題差別の実態に係る調査結果報告書」(いわゆる6条調査報告書)などがだされましたが、同書で提起したことを裏付けるものとなっています。新学習指導要領にもとづく中学校、高校の新教科書の検定、採択など、前著刊行後の動きをもりこみました。

(『続・学びなおしの部落問題』は書店では扱っていません。直接、大阪教育文化センターに注文してください。)

頒価500円  2022.3.3.発行  A5版/並製/92ページ

内容

1 教育で新しい差別を生むことのないように

2 中学校社会科「歴史」「公民」教科書(2021年度から使用)の検討

3 高校「歴史総合」教科書(2022年度から使用)の検討

4 高校「公共」教科書(2022年度から使用)の検討

5 資料

(1) NHK大阪放送局の度重なる偏向報道―『バリバラ』にふれて(民権連)

(2) 民権連通信号外2021年6月府教育庁交渉

(3) 大阪府人権局「旧同和対策事業対象地域の課題について」(抜粋概要)

(4) 法務省「インターネット上の同和地区に関する識別情報の摘示事案の立
件及び処理について(依命通知)」2018年12月27日(抜粋)

(5) 法務省「部落差別の実態に係る調査結果報告書」2020年6月(6条調
査報告書)(抜粋)

(6) 部落差別の解消の推進に関する法律および附帯決議

 

 

大阪はぐるま研究会新春学習会(2月20日)

はぐるま研新春学習会

2022はぐるま研新春QRコード 『黒い蝶』 松谷みよ子作(文学読本「はぐるま」8巻 1973年)(B4版pdf)

 大阪はぐるま研究会新春学習会への参加申し込みはこちら(Googleフォーム)

スマホ・タブレットならQRコードで

(サテライト会場-泉南方面-での視聴・参加を希望される場合もGoogleフォームから連絡ください。)

第45回大阪はぐるま研究集会

第45回大阪はぐるま研究集会 ご案内

主催 大阪はぐるま研究会

 案内のダウンロードはこちら(画像PDF B5版4ページ)

子どもの心を育む教室と授業づくりをめざして

1.期日 2019年8月3日(土)

2.会場  アネックスパル法円坂(大阪市立教育会館)

    地下鉄「谷町4丁目」西へ徒歩6分/JR「森ノ宮」東へ徒歩6分

3.日程
     9:00 受け付け
     9:15 分科会(9分科会)
    13:00 全体会(特別報告・記念講演)
    16:30 閉会

全体会 (午後1:00~4:30)

1.主催者あいさつ

2.特別報告 「子どもとともに未来を開こう」

 大阪教育文化センター 事務局長 山口隆さん

      「子どもの認識力を育て、深める授業の創造を!」

大阪はぐるま研究会 事務局長 辻まち子

3.記念講演 「子どものために手をつなぐ ~いま、親そして大人ができること」
    大阪大学大学院教授 小野田 正利さん

分科会   [ ]は担当サークル・担当者

8月3日(土) 午前9:15~12:00

■物語文

【だってだってのおばあさん】(佐野洋子作)(光村図書1年下)

 だってだってなどのくり返しの言葉を楽しんで読み、おばあさんとねこのやさしさによって、99歳から5歳になったおばあさんの生き生きした様子を楽しんで読み合いましょう。

[和泉どの子も伸びるサークルたんぽぽ]

【ニャーゴ】(宮西達也作)(東京書籍2年下)

 猫の怖さを知らず、無邪気に関わっていくこねずみの行動が、猫の気持ちを変えてしまう話の展開のおもしろさと、心が温かくなる結末を読み味わいましょう。

[和泉どの子も伸びるサ一クルたんぽぽ〕

【ちいちゃんのかげおくり】(あまんきみこ作)(光村図書3年下)

小学校で出会う、初めての戦争を扱った教材であるちいちゃんのかげおくり。戦争体験のない私たちがどのようにこの教材を子ども達と学んでいくのか、また、戦争によってちいちゃんが奪われたもの、また奪えなかったものから、戦争の悲惨さ、平和の尊さをじっくりと読み合いたいと思います。

[羽曳野はぐるま研究会]

【一つの花】(今西祐行 作)(光村図書・東京書籍・教育出版・三省堂4年上)

<一つの花>にはどんな思いが込められているのだろう。この教材では、読者が作中のある人物と一体になって体験するよりは、話者の語りにのって意味づけていくことを大切に読み合っていきたいと思います。

[泉南はぐるま研究会]

【注文の多い料理店】(宮沢賢治 作)(東京書籍5年下・学校図書5年上)

 二人の紳士が、次々と出される注文にどのように対応するのか考えたいと思います。参加される方と一緒に教材分析をして、この教材で、子どもたちに何を考えさせたいのか話し合いたいと思います。

[泉南はぐるま研究会]

■物語文

【海の命】(立松和平 作)(光村図書6年、東京書籍<海のいのち>6年下)

 光村の18段落は“母が毎日見ている海は、いつしか太一にとっては自由な世界になっていた”と書かれています。この一文が当初にはありません。この一文も含めて、子どもの気づき体制にする授業をすすめるために、ていねいに教材分析をしていきましょう。

[箕面はぐるま研究会]

■道徳と英語

「道徳」をどのように授業していますか。
「英語」の授業をどうしていますか。

[コーディネーター 山口隆さん]

■人権と社会科

学びなおしの部落問題
-「差別はいまもある」で終わる教育は時代おくれ、未来を開く教育を-

 社会で部落差別を目の前で見たり聞いたりすることはあるでしょうか。「今も差別はある」と語り継ぐことは、誤解と偏見を育てないでしょうか。あらためて教科書や研修で教えられてきた内容の偏向を訂正し、未来を開く教育へ転換するために、部落問題をそもそもから学びなおしましょう。
[柏木功][人権と社会科研究サークル]

■生活綴方と学級づくり

 子どもに生きる希望、先生に元気、親に安心を!学級づくりの原点を学ぶ場に
[土佐いく子]

参加申し込みについて

1.参加費 3000円(学生は2000円)

2.申し込み 「郵便振替での参加申し込み」をお願いします。分科会会場での参加費の扱いは極力避けるため、また資料の確保のためにも、「事前に納入」していただきますようお願いいたします。
 その場合、通信欄に参加希望分科会等必要事項をご記入ください。入金を確認次第、自宅住所に「参加票」をお送りします。

振込先口座番号 00960-3-211341
   加入者名  大阪はぐるま研究会
   金額     3000円

なお、従来通りハガキ・Fax・E-mail・電話等での参加申し込みも受け付けます。その場合は本部控え室で受け付けいたします。
 また、当日参加の方も、本部で受け付けをお願いいたします。

 申し込みの際は、
  ①氏名
  ②郵便番号、自宅住所、電話番号
  ③勤務先
  ④参加希望分科会(第1希望、第2希望)をご記入ください。

3.締め切り 7月20日(土)

4.申込先・問い合わせ先

 〒590-0423 泉南郡熊取町自由が丘2-15-13 辻まち子

E-mail machiko-tsuji@ares.eonet.ne.jp

Tel&Fax 072-453-5214

☆分科会

 参加者全員で話し合い、考え合い、学び合い、その教材について読みを深めていく集団研究の場です。担当サークル・担当者が話題・問題提供いたします。

☆特別報告  今年も山口隆さんに話していただきます。

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日本国憲法 第二章 戦争の放棄

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

「教え子を戦場に送らない」この思いつよくつよく、わたしたちは平和憲法を守ります。

大阪はぐるま研究会

子どもがつくった子どもの権利条約ポスター(中学校美術)

子ども自身が権利を知り、主張することができるようになるために

 子どもの権利条約ポスター制作

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1 学校・学年の様子

 本中学校は2015年に2校が統合、校舎を新調し開校した学校である。開校から3年が過ぎ、いくつかの大きな生徒指導課題や、学力課題もあるものの、全体としては日常的に概ね落ち着いた学校生活が送れている。美術の授業においても、指導者の説明を聞き、指導に沿った活動ができており、少々難易度の高い教材でも取り組むことができている。

 本教材に取り組んだのは第2学年4学級。支援を要する生徒が少なからずいる学年だが、それらの生徒も含め取り組んだ。

2 教材について

 2010年くらいの事だろうか、美術関係の業者さんから、子どもの権利条約を題材に作品を作っている美術教師がいると聞いたことがある。その業者曰く、そんな教材をすると、子供がわがままを言うようになるから、迷惑だと言っていたことを憶えている。その時は、「そんなもんかなぁ。」「(美術的に)その題材で作品を作らせるって面白いんかなぁ」と思っていた。そんな自分が昨年(2017年)からこの教材に取り組んでいる。大阪の中学生は全国学テはもちろん、大阪府チャレンジテストもあり、特に3年生は毎月何らかのテストがある、多い時は1月に3回ある時もある。クラブだ、テストだと追い立てられ、自分らしい生活がどれ位できているのだろうかとかわいそうになってくる。そんな自分もそうさせている内の一人なのだがと内心思いつつ。

 子ども自身が自分には権利があり、その権利を行使することは許されているのだと知ってほしい。そして、このポスターを展示し、多くの大人に見てもらうことで、少しでも子どもの置かれている状況について考えるきっかけになってくれればと思い実践している。

3 制作の流れ(全9時間)

【1年生3学期末(2時間)】

 ① You tube「子どもの権利」動画(16分37秒)を視聴。世界には劣悪な環境で生活している子ども達がいることを知らせる。そんな子どもたちの強い味方として「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」があることを説明。動画で紹介した世界と同様には考えられないが、君たちの置かれている状況はどうだろうかと考えさせる。

 ② Unicefがまとめている子どもの権利条約のサイトをもとに、条約の成り立ち、全条文が載った冊子を配布し、読み合わせをする。

 ③ 読み合わせながら、自分にとってすごく大切だと思う条文、または自分や自分の身の回りで守られていないと思う条文を選ばせ、選んだ理由を作文させる。

 ④ PC室で、選んだ条文からイメージする風景、人、物を描くうえで参考になる写真やイラストを検索させ、印刷する。

 ⑤ 参考資料を基に、アイディアスケッチを描かせる。

 ⑥ レタリングの時に学んだスペーシングを復習し、「子どもの権利条約」「第○条」「条文」を文字の大きさ配置のバランスを考えて、絵とともにどう入れるか考えさせる。

 * ここまでができていない人は春休みの宿題としておく。

【2年生1学期(7時間)】

⑦ 画用紙を配布し、下絵をもとに描かせ、ポスターカラー絵の具で彩色する。

4 制作中の生徒の様子

 条文を選んだ段階ですぐにイメージが湧いている生徒もいれば、みんなが画用紙に描き始めてもなかなか描き出せない生徒もいる。このポスターを作ることそのものに意味があるからと、デザインについては条約説明の冊子の挿絵を参考にしても良いなどとハードルを下げ、制作を促す。

 ポスターカラー絵の具の彩色は水分をわざと多く含ませ、筆跡を残すことで、その条文のイメージ合うような彩色の方法を紹介し、わざと「ムラ」を作ることが効果的だと促すなど、新しい技法を盛り込ませた。

5 まとめ

 身近な「いじめ」をテーマにしたり、先生への不満を裏のテーマとして盛り込むなど、それぞれの思いのこもった作品が多く完成できた。ネットで検索した画像であっても、複数組み合わせる、部分的に変化を加えるなど自分なりの工夫をしている生徒も多くいたこと。彩色において、にじみやムラをテーマに合った表現として利用するなどの工夫も見られた。

 また、文章を書くにあたり、レタリングで習った字体を意識しながらも、自分なりの味のある文字を筆で書くことも効果的だとほめながら取り組んだことも手作りの良さが感じられる表現になっているのではないだろうか。難しい教材ではあったが、多くの生徒が意欲的に制作することができたと感じている。

「子どもの権利条約」授業記録(中学校)

「子どもの権利条約」授業記録

1.目標「権利」ってなに? -考えるきっかけにしよう。

2.導入「子どもの権利条約」紹介

  ①54項目例・虐待・放任からの保護
       ・意見表明の権利
  ②1989年11月20日国連総会
  ③194か国が批准 日本も
  ④審査を受ける。勧告されることがある。
    日本は勧告された。
  ⑤認知度が低い。
    2009年 広島の小中高生17%

3.展開

(1) クイズ
「次のAからDのケースで、『子どもの権利条約』に違反しているのはどれか。

 コンゴ民主共和国ベンジャミン君15歳誘拐された兵士にされた

 パキスタン1990年子どもサッカーボール工場労働させられていた。

 日本「親に育ててもらっているのだから、親の言うことを聞け。」と言われた。

 日本だらだらテレビを見たり、何もせずぼ一っとしたりしていたら、叱られた。

上記をグループで話し合う。
挙手で答えさせて正解を発表する。

(2) A~Dが条約違反になる根拠を、次の条文の中から選ばせる。グループで相談して用紙に答えを記入させる。(用紙あり)

  第6条 生きる権利・育つ権利
  第9条 親と引き離されない権利
  第12条 意見を表す権利
  第28条 教育を受ける権利
  第31条 休み、遊ぶ権利
  第32条 経済的搾取、有害な労働から保護される権利
  第35条 誘拐、売買から保護される権利
  第38条 戦争から保護される権利
  第40条 国は、罪を犯した子どもに、人間の大切さを学ばせ、社会に戻ったときに自分自身の役割を果たせるようになるよう、大切に扱わねばならない。

(3) 話し合った結果を発表させて、条文の内容を噛み砕いて説明する。

(4) 自分が「いやだと思ったこと(思っていること)」「やめてほしいと思ったこと(思っていること)」を書く。(用紙あり)

(5) グループの中で発表する人を1人決める。(発表したい人がいなければ、どの内容がいいかを1枚決める。発表は教師がする。)

(6) 順番に発表させて、短いコメントをする。

終末

(7) 振り返りをさせる。(はじめて知ったこと、驚いたこと、考えたことなど)

4.生徒の思い

お父さんに「親の言うことは聞け。」といわれる。「ケータイばっかりするな。」と、そんなにしていないのに言われる。「勉強したんか。」と、したのに言われる。ちゃんと見てから言ってほしい。

小学校の先生に、同じことを何度も聞かれたから小さい声で「またか~」と言ったら、妹と比べられ「がっかりやわ一」と言われた。あやまってほしい。

お母さんに、ケータイの使用時間を決められて、使用OKの時間にさわりすぎていると起こられる。テストの点が悪くておこられる。自分がケータイをさわっていて、「御風呂洗ってきて~」って言われて、「待って~」って言ったら、「ケータイばっかりさわってないで、ちょっとはお手伝いしたら」って言われる。使用時間OKのときは、さわっていてもおこらないでほしい。自分のことだけじゃなくて周りを見てほしい。自由にしたい。

親にいつまでも小さい子扱いされたり、ばかにされたりする。けんかや親の言っていることがおかしいと思ったとき、正論や事実を言ったら、話をしっかり聞いてくれず、親の権力的なものに潰される。友だちはみんなこうだと言ったら、みんなは関係ないなどと言われる。テレビを見ているときとか全てにおいて、親に全てを決められる。親が時代遅れ。黙ってほしい。

失敗したとき、お父さんに「~ちゃん、~君はできるのに、なんでお前はできないんだ。」と言われた。「~ちゃんの家は~なのに、あなたは幸せやね。」と言われた。やめてほしい。

弟がお菓子ばっかり食べていて、夕食をあまり食べなかったとき、お母さんにお菓子を投げつけられていて、家がいやな雰囲気になった。けっこう怖かったから、投げるより口でおこってほしい。

親や妹に、勉強やダンスのことで、友達と比べられる。比べないでほしい。

お母さんに、勉強やテストのことで、「お姉ちゃんはできたよ~。」と言われる。比べないでほしい。

ゲームをやっていると、妹がうるさい。しゃべらないでほしい。

ママに、習い事に無理やり入れられた。周りと比べられる。弟に対するときと態度が違う。対等に見てほしい。
ほめてほしい。話し合ってほしい。

お母さんの作つたご飯を食べるときに、「あんまりおいしくないよね。」と言われて、「どんな感じ?」と聞かれたので「まずい。」と言ったらおこられた。正直に言っているのに、おこるのはやめてほしい。

兄に、妹だからということで下に見られること。対等に見てほしい。

一番上のお兄ちゃんに真ん中のお兄ちゃんがいじめられていて、真ん中のお兄ちゃんが八つ当たりで、僕の両足首と両手首をタコ糸で縛ってくる。タコ糸は痛いので、やるならテープで。
親におこられたとき、「お前なんかいらない。」と言われた。やめてほしい。

給食時間、僕のパンを食べないでほしい。取らないでほしい。

休み時間、腹をさわらないでほしい。

お母さんが、いきなりおこる。八つ当たりする。意味もなくおこるのをやめてほしい。

勉強して休憩しているだけなのに、「勉強しろ」と強制させる。ほうっておいてほしい。

お母さんが、夕方5時~9時45分、10時~7時にけいたいを勝手に切って、開けられないようにしてくる。1日1時間は見られるようにしてほしい。

お姉ちゃんに、発表会が終わったときに「顔、真っ赤っか」とか「中2病」とか言われた。みんなの前で言うのはやめてほしい。

子どもの意見を尊重してほしい。

中学校の先生に、関係ないのに休み時間に呼び出される。

家で休んでいるときに、母と姉に、わたしがすることで文句を言われる。父に、テストの点数が悪かったらおこられ、たたかれた。ほうっておいてほしい。あんまりがみがみ言わないでほしい。手を出さないでほしい。

母親に「家を出て行け。」と言われた。子どもの気持ちを理解して発言してほしい。

おばあちゃんに、弟が悪いのに私が悪いことにされる。

父親の説教が長くて、寝る時間がない。短くしてほしい。母や妹が、全て僕が悪いようにしてくる。妹も叱ってほしい。

父親が話しかけてきた。そっとしておいてほしい。

お母さんに、勉強しようとしているのに「勉強しなさい。」と言われる。自分がやりたいときにするから、ほうっておいてほしい。

兄が、テレビのチャンネルを勝手に変える。言ってから変えてほしい。

親が、もう済ましたことを知らずに、しろと命令してくる。確認してから言ってほしい。

弟が感情的になり余裕がなくなると、人の話や意見を全く聞かずに屍理屈で逃げていく。話を最後まで聞き、理屈で話してほしい。静かにしてほしい。

学校でいろんな人が、僕の物を勝手にさわったりとったりする。

家で、母が、僕がなにをしているか見てくる。父母がテストの点数が悪いと言う。来ないでほしい。黙ってほしい。

いつも母が、僕を見ている。しゃべる。ぶりっこ。だまってどっか行ってほしい。

言うことを聞かなかったとき、父が「チョコ(犬)を捨てるで。」と言う。犬だからって、捨てるとか簡単に言わないでほしい。

5.振り返り

初めて子どもの権利条約を知り、ひどい扱いをされている子どもがたくさんいることがわかった。

思いもかけないことが条約違反だということがわかった。

知れてよかった。しっかり考えることができた。

子どもの権利条約があることを初めて知りました。自分に当てはまるものがいっぱいあったので、親におこられたときは、子どもの権利条約を使います。

みんながいやだと感じることが私と一緒だということがわかった。

日本ではちゃんと条約が生かされていない気がするので、実行してほしいと思った。

条約のことばを知ったし、いやなことなどを考えられてよかった。

私たちはたくさんの権利で守られているんだなと思いました。

親は、よく子どもの権利条約に反している。

子どもの権利条約があることを初めて知って、びっくりしました。

ほとんどの家で条約に違反していることがわかった。

子どもの権利条約がすごかった。

子どもの権利条約があってよかったと思った。

子どもは大切に扱われるものだとわかった。

子どもの権利条約というものはいいなあと思った。お母さんに言ってみようと思う。

子どもの権利条約は子どもを危険から守るものだとわかり、大事なものだと思った。

とても楽しく学べたのでよかった。また、すごく興味がわいてきたので、また知りたいです。

子どもはのびのび生きることが大切だなと思いました。意見はしっかり言うことが大事!

CやDの家でふつうにありそうなことが、子どもの権利条約に反していることにとてもびっくりしました。

あまり知られていないんだと思った。これからこういうことについて考えようと思った。

クイズの答えを聞いたときはとてもびっくりしました。

ふだん親に言われていることも、子どもの権利条約にひっかかるんだなと思った。

子どもの権利の大切さや意見をもっと主張してもよいのだということがわかりました。

楽しかったです。

子どもは大切にされるべきだと思った。親に言ってみようと思う。

子どもの権利条約をみんなに知ってほしいなと思いました。

『学びなおしの部落問題』

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著者:大阪教育文化センター「部落問題解決と教育」研究会
出版社:部落問題研究所
単行本:A5版 127ページ
定価:1100円(1000円+税)
ISBN-10:4829845244
ISBN-13:978-4829845240
発売日:2018/11/8(奥付の印刷発行は10/20となっていますが)

目 次

1.部落問題とは何か                5
2.部落問題は今どうなっているか          8
3.部落問題の解決とは何か             19
4.部落の歴史 起源を考える            26
5.「部落差別の解消の推進に関する法律」と
  「付帯決議」を活かして最終的解決へ       37
 「部落差別の解消の推進に関する法律」「付帯決議」  39
6.学校教育で大切にしたいこと           55
7.社会科で身分制度はこう扱おう          65
8.教育で「新たな差別を生む」ことはあってはならない  68
9.社会科教科書の改善を              82
10.様々な問題
 (1) インターネット                107
 (2) 結婚差別                   109
 (3)「土地差別」                 111
 (4) 意識調査                   112
11.資料 これまでの判例              113
   矢田事件/吹田二中事件/八鹿高校事件
12.行政資料                    118
「部落差別解消推進法」を受けて学校教育での対応ガイドライン   125
Web人権教育事典 紹介               126

コラム

・部落差別と性差別、民族差別は解決の仕方が違う   25
・部落問題は封建制度の残り物(残滓)         35
・誰が「同和地区の人」か誰も答えられない      36
・部落解放同盟・自由同和会・全国人権連       53
・「部落」「同和地区」ってどこ?          73
・同和教育への国民の批判              80
・全国人権教育研究協議会(全人教)         81
・江戸時代の身分別人口の割合            96
・教科書で学んだことが意識調査に          97

行政の見解など

○現在では、同和対策事業の対象としての地域および住民は存在しません-大阪府府民文化部    7
○対象地域で見られる課題は、必ずしも全てが部落差別の結果と捉えることはできない-大阪府府民文化部    8
○生まれた時から住んでいる人は大阪府8.6% 大阪市7.3%      12
○かつての地域をとりあげてという調査はできない-大阪府教育庁   16
○差別意識は行政、運動体の双方、特別扱いの結果-關大阪市長    23
○(「ムラ」という表現)今後とも、使用しない-大阪府教育庁    69
○「今、被差別部落なんてないよ」という-大阪府教育庁       71
○(「同和」)固有名詞を除き基本的に使用しない-寝屋川市     72
○「同和地区」の存在を前提とした現行の条例、基本方針、推進計画、推進プランはありません-大阪市市民局                    72
○(「立場宣言」)特定の立場に立つ政治運動・社会活動とを明確に区別することは当然-大阪市教育委                        75
○学習経験を積むほど悲観的な意識が広がった-大阪府府民文化部   76