◆参考:対象地域における部落差別の影響の把握について

(注)これは大阪府府民文化部人権局「旧同和対策事業対象地域の課題について」p.16(2016.1.22.)に掲載されているものです。人や地域を特定した調査をしてはならないことを明らかにした貴重な内容です。

◆参考:対象地域における部落差別の影響の把握について

 対象地域に見られる生活実態面の課題に対する部落差別の影響を把握するには、対象地域の住民を対象として調査対象者を抽出し、それらの対象者に対して調査の趣旨及び居住地が対象地域であることを明示した上で、対象地域出身者であることの自己認識、被差別体験の有無及び生活実態面の課題と被差別体験の関連を聴く必要がある。
 
 しかしながら、対象地域の所在地名は大阪府個人情報保護条例において、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報として取り扱われており、原則として収集禁止とされているほか、個人情報の外部への提供が原則として禁止されている(※)。
 特別対策としての同和対策事業が終了した現在においては、調査対象者に対して、居住地が対象地域であることを教示し、対象地域出身者であるか否か、差別体験があるか否か等のセンシティブな情報を収集する調査を実施することは困難である。
 
 また、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例では、興信所、探偵社業者及び土地調査等を行う者に対して対象地域に関する調査・報告を規制している21。
 大阪府は本条例の規制対象ではないが、特別対策としての同和対策事業が終了した現在において、条例により差別防止の観点から規制している行為(対象地域の調査・報告等)を、規制当局である大阪府が行うことは不適切である。
 
 ※ 大阪府個人情報保護条例(抜粋)