スーホの白い馬

スーホの白い馬

文学の授業(二年)

一、学級の子どもたち

 山々に囲まれた本校に赴任してきて初めて出会った子どもたちです。男子一八名女子一八名で、人なつっこく、好奇心旺盛で元気いっぱいのクラスですが、一人ひとりをみると、いろいろ問題をかかえている子もあり、学級集団としては大変しんどい(特に話が聞けない、勝手な行動が多い)状態でした。

 そこで、次のような取り組みをしました。

① 朝の時間に毎日読み聞かせをし、ゆったりとお話の世界に入り込み、楽しむと同時に、集中して聞いたり考えた りする。

② 毎日、「お話タイム」をもち、日直さんにみんなの前で、したこと思ったことを話してもらう。

③「お話ノート」と称して、生活を綴らせ、自分の生活を思い起こし、考えると同時に学級通信にのせ、みんなで読み合いお互いをよりよく知る。

 これらの取り組みを通して、子どもたちの中に少しずつ成長が見られ、学級としてもおちついてきました。いつも初めは、ひろい読みしかできない孝典君がお話に興味を持ち、図書館で本を借りて休み時間本を広げるようになりました。作文や図工の時、いつまでも何もしなかった直樹君が遊んだことを少しずつ自分で綴れるようになりました。

 またふだんよくしゃべっていても、授業中の発表や本読みになると、一言も声が出ず泣いてしまう魁君が、自分から手を上げ発表しようとするようになりました。友達に「遊ぼう。」「一緒に帰ろう。」と声がかけられなかった美咲ちゃんが教室でも大きな声で友達と話していたり、学校の帰り約束をして、いろんな子と遊べるようになってきました。

二、子どもと教材

 「スィミー」や「くまの子ウーフ」、「お手紙」などの文学教材にも取り組んできました。文に即して読みとりながらイメージをふくらませ、登場人物に共感しながら読み深めていきました。仲間の中で生きるということ、お互いの思いやりや、やさしさを意識し始めた子どもたちですが、日常の生活の中で、何気なく言った一言や、ふざけてやったことが友達を傷つけてしまうことや、それがもとでけんかになってしまうというようなことがよくあります。そんな子どもたちに、スーホと白馬の愛情がどんなものなのか文学体験し、本当に人を大事にするとはどんなことなのか考えるきっかけになってほしいと思い、この教材に取り組みました。

 この教材は、二年生にしては長文なので場面ごとに毎日読む練習をし、本読みカードで家庭学習として、おうちの方にも協力してもらいました。声に出して読むことが好きになった子が多く、特に会話文においては、殿様らしく読むという工夫もできるようになり、登場人物の心の動きやその場の様子をイメージ化しやすくなりました。

 手がかりになる言葉や大切な文章には、線を引き、自分の思いを書き込むこともしてきたので、少しずつ自分の思いが自分の言葉で発表できるようになってきました。さらに、友達の意見にも耳を傾け、認め合ったり、共感し合ったりしながら読み合っていきたいという思いで取り組みました。

三、教材について

 この物話は、モンゴルの大草原を舞台に展開される貧しい羊飼いの少年スーホと白い馬を中心とした悲劇です。今でもモンゴルに伝わる「馬頭琴」という楽器がどのようにしてできたのかという由来を語る形式で始まるのですが、この馬頭琴によってモンゴルの人々の限りない願いや抵抗のエネルギーが現代にまで語り伝えられてきているということを心にとめて読み進めていきました。

 また、少年スーホが広い草原の中で遊牧民として働き、がんばって生きる姿を子どもたちにイメージ豊かにとらえさせるためには、絵本の挿絵やビデオなどの助けが有効でした。

 この話は、スーホと白馬の心の交流・愛情の深まりを描きながらすすめられています。優しいスーホは、白い子馬の命を助け、心をこめて育てます。白馬も命を懸けてスーホの羊を守ることや競馬の大会で力いっぱい走ることにより、スーホの愛に応えていきます。そして深い愛情や強い信頼が生まれてきます。単に飼うものと飼われるものという関係をのりこえて、お互いに信じ合う兄弟のように楽しく幸せな時をすごしたのです。

 しかし、そんな幸せを壊したのが権力者=殿様でした。

 外見や職業だけでいやしいと判断したり、約束などはおかまいなしにほしいものは力ずくで奪い取るなど、権力をかさにきた殿様の無法で横暴な態度は、スーホとのやりとりの会話文や殿様の行動の一つひとつに表現されています。

 これらの違いを比べたり、会話文の音読を工夫したりすることによって殿様の非人間性や理不尽さを読みとっていくようにしたいです。

 強引に引き裂かれた白馬は、瀕死の状態になりながらも命がけで大好きなスーホのもとへ帰ってきます。が、スーホの願いも空しく力尽きて死んでしまいます。そして夢の中でも心を通い合わせるスーホと白馬、権力者のどのような権力をもってしても、たとえ引き裂かれても、殺されても断ち切ることのできないスーホと白馬との深く固い絆は、読み手に深い共感を与えます。こんな悲劇の中で生まれてきた馬頭琴は、美しい音色と共にモンゴルの草原に広がり、現代にまで伝えられているのです。

四、思想

 相手のことを思いやり、心をこめて尽くすことで生まれた深い愛情や絆は、どんな権力者の横暴な行為をもってしても断ち切ることはできない。

五、初めの感想

 スーホは、大好きな白馬を売ってたまるかと思ったんだろうなあ。でもぼくだったらそんなゆう気はないから、とのさまにあんなふうにぜったい言えなかったと思う。そして、スーホが大切にそだてた白馬をころされてくやしいだろうなあ。 (将和)

 さい後に、スーホの白い馬はすごくかなしい思いで死んじやったんだね。けい馬でかったのに、ほうびをもらったのでなく、白い馬をうばわれてしまうなんてひどい。けい馬に出て、何でころされないといけないのかなあ、かなしい思いはきえないね。 (篤志)

 スーホはやさしい人だと思う。白馬はとのさまたちにやられたからかわいそう。スーホは、白馬をとられてころされてすごくいやだっただろうな。スーホは白馬が大すきだっただろうな。 (美咲)

 白馬、きみの気もちわかるよ。きみはスーホに会いたくて会いたくて、いのちをふりしぼってスーホのところに帰ってきたんだね。スーホ、夕方にもがいている子馬を見つけていっしょうけんめいそだてたのに、とのさまにうばわれて、ころされてかなしかっただろうね。 (大志)

六、指導計画(全一五時間)

第一次 はじめの読み(三時間)

 初めの感想・難語句の説明やモンゴルについて知る(ビデオ視聴)場面分け、あらすじをつかむ。

第二次 たしかめ読み(一〇時間)

 前書き、(一)~(二)の場面、後書きを読む。

第三次 まとめ読み(二時間)

 スーホと白馬の愛情について話し合う。終わりの感想を書き、交流する。

七、授業

本時の目標

 傷つきながらもスーホのもとへ帰り、介抱のかいもなく死んだ白馬の様子を読みとり、スーホと白馬の結びつきの深さ、愛情の強さを感じとる。

授業の記録

T さあ、「スーホの白い馬」の勉強を始めましょう。

 昨日勉強した場面をみんなで思い出してみましょ う。 (模造紙にまとめた板書図を見て、前時をふり返る。矢がささっても走り続けている白馬に書いた感想を読む。)

白馬、矢がささっていたかっただろうね。よくがんばったね。白馬は強いね。矢がささってもしなないで走れるなんて、白馬とスーホの心はつながっているんだね。 (真優)

白馬はえらいなあ。ぼくはきっと大好きなスーホのところへ帰れると思うよ。がんばれ。(直樹)

ぼくは白馬にこう言ってほめてあげたいな。「家来たちに何本も矢をさされたのに、よくがんばってスーホの家に帰ってきたね。白馬はスーホと約束したんだもんね。どんな時でもいっしょだよって。」 (知士)

T じゃ、今日は、白馬が走り続けて帰ってきた晩のことを勉強しましょう。初めに今日の場面を読んでみましょう。 (読みの苦手な子にできるだけ多く読む機会を保障するため、全員各自音読した後、指名読みする。)

T まず、その晩のスーホのことについて考えてみようね。その晩、スーホはどうしましたか。

篤志 ねようとしていた。

愛実 カタカタと音がしたから「だれだ。」と言っても返事がなかった。

宏隆 「白馬だよ、うちの白馬だよ。」と言った。

子(数人)それは、おばあさんが言ったんだよ。

T そうだね。おばあさんがさけび声をあげたんだね。

麻夏 歯を食いしばりながら白馬にささっている矢をぬきました。

健人 その前に「スーホははねおきてかけていきました。」があるよ。

信吾 スーホは「白馬、ぼくの白馬死なないでおくれ。」と言った。

T その晩、スーホがねようとした時、カタカタと音がしておばあさんの声にはねおきてかけていくと、矢のささった白馬がいて、歯を食いしばりながら矢をぬいたんだね。じゃ今読みとったところで、スーホについてもう少し詳しくわかること思ったことを話して下さい。

由紀 「ねようとしていた」というところで、スーホは白馬がいなくなってからねる時もずっとさびしかった。ずっと白馬のことばかり考えていたと思う。

宏隆 ぼくは「はねおきて」のところで言いたい。「はねおきて」やから、びっくりしてかけていった。

T 普通やったら何て言うかな?

C (数人)おきて。

香帆 スーホは白馬のことをずうっと考えていたでしょ。だから「白馬だよ」というのを聞いてびっくりしてはねおきていった。

知士 それに「かけていきました」やからすごく速く外へ行った。

由衣 白馬は殿様にとられたはずなのに、自分のところに帰ってきたからびっくりしてかけていった。

悠 そしてやっと会えたと思ってうれしかった。

愛実 もう絶対白馬に会えないと思っていたのに会えたから、スーホはすごくうれしかった。

健人 よっぽどうれしかったと思う。

大志 スーホと白馬の心はやっぱりつながってたんや。だから会えたんや。

T そうだね。スーホはまさか白馬が帰ってくるとは思ってなかったから驚いた。そしてうれしかった。でも見ると、その体には、矢がささっていたんだね。

信吾 ぼくは、「はを食いしばりながら」というところで、いやいやそうにしている感じがする。

T 何で、いやいやそうにしている感じがするの?

信吾 白馬が死んでしまいそうやから、やりたくないねん。

秀明 矢をぬいたら痛くて白馬はかわいそうや。でもせんとしょうがない。

(いやいやそうにという言葉が意外だったが、「つらいのをがまんして」という意味なのだろう。)

篤志 白馬にささっている矢がかたいねん。

拓也 うん、それですぐぬけないから歯を食いしばっている。

慧祐 スーホは、殿様に白馬が矢をうたれてその矢で苦しんでいるのを見たくない。

T なるほど、矢が白馬の肉に食いこんでいて簡単にぬけないんだね。でもそのままにしていたら傷はもっとひどくなるから、歯を食いしばって矢をぬいたんだね。

大志 ぼくは、白馬は殿様の家来にやられたんだから、「殿様め、こんなことをして。」と思ってぬいたと思う。

将和 殿様はスーホから大好きな白馬を取り上げといて、矢をうって白馬にひどいことをしたから、スーホは腹が立ってる。

綾未 「ぼくの大切な白馬をこんなことしてひどい。」と思つている。

T なるほどなあ。 (歯を食いしばり一本一本矢をぬく様子からスーホの殿様への怒りを感じている子もあった。)

T では、今度は、走り続けて帰ってきた時の白馬の様子について考えてみよう。白馬の様子がわかるところを発表して下さい。

恵里佳 「カタカタ、カタカタ」と音をさせて帰ってきたことを知らせてる。

美咲 「あせが、たきのようにながれおちています。」

拓也 もうちょっとつけ足しがある。「その体には、矢が何本もつきささり、あせが、たきのようにながれおちています」です。

いづみ 「ひどいきずをうけながら、走って走って走りつづけて大すきなスーホのもとへ帰ってきたのです。」

亜香音 「きず口からは血がふき出しました。」

沙恵 「息はだんだん細くなり、目の光もきえていきました。」

(子どもたちの発表した文をはっていく。)

孝典 「つぎの日、しんでしまいました。」

T そう、これは、次の日だね。

(「つぎの日」と板書する。)

大志 もう思ったこと言いたい。いっぱいあるねん。

宏隆 ぼくも早く言いたい。

T そうか、白馬のことについて思ったことやわかったことがみんないっぱいあるねんな。じゃ、早く言いたいという宏隆君からどうぞ。

宏隆 白馬はスーホにどうしても会いたかったから走って走って走り続けたんや。

絵里 「矢が何本もつきささり」やから、矢がいっぱいささってかわいそう。

孝典 絵見たら四本やで。

秀明 反対側にもささっているで。

T そうだね。「何本もつきささり」やから、たくさんささっていたのだろうね。

綾未 矢がささって痛いのをがまんして、痛くても止まらないで走ってきたから、汗が滝のように流れてるねん。

愛実 「あせが、たきのように」のところで体じゅうに雨がふったみたいにいっぱい汗が出てる。

綾奈 痛いし、しんどかっても、息がきれそうになっても大好きなスーホのところへ早く帰りたいから、走って走って走り続けた。

将和 白馬は死ぬ前に絶対スーホに会いたいと思って一生けん命走り続けた。

T 「あせが、たきのように」や「走って走って走りつづけて」の言葉をみんなよく読みとったね。じゃ次を読もう。

翔太 「きず口からは血がふき出しました」のところで、矢をぬいたから、プシューと血がふき出した。

篤志 「ふき出した」やから、いっぱい血が出てめちゃくちゃ痛い。

由紀 矢をぬいているスーホまでも痛い気がしたと思う。

T そうやな。スーホまでも痛くてつらかったやろうな。

香帆 血がいっぱい出たからすごく弱ってくる。

T 人間だって出血多量で死ぬこともあるものね。

(このコメントは不必要だった。)

恵里佳 初めの「カタカタ」というのは、矢がささって走り続けてきてるから、弱ってて、力がないねん。ちょっとだけドアに当てて「帰ったよ。」って言ってる気がする。

T なるほど、ということは、「カタカタ」って読む時は、弱く小さな音でということになるねんな。すごいなあ。先生もそこまで考えなかったなあ。 (「へんじもなく」という言葉から鳴けないぐらい弱っていたという事実が押さえられる のではないかという指摘を受けた)

真優 「弱りはてていました」というから、立つこともできなくて、もう死にそうなぐらい弱っている。

絵里 「いきはだんだん細くなり」というのは、ほとんど息がなくなってきている感じ。

由紀 息が苦しい感じ。

由衣 白馬の顔のところにスーホがいっても何もわからないぐらいの息。

T 今、言ってくれた意味、みんなわかる?普通やったら、顔や手を近づけたら息が出ているのを感じるでしょ。それが感じないぐらいの息やということやね。

香帆 「目の光もきえていきました。」というところは、もう目があけられない感じ。

いづみ きっともう見えないぐらいと思う。

知士 昔、スーホと元気に草原を走り回っている時はもっと明るいきれいな目やったのに、今は暗い目になってきている。

T そうだね。明るい目の光が消えて、とうとう死んでしまったのですね。

大志 何で白馬は何も悪くないのに、こんなことにまきこまれて死なないといけないんやろう。

拓也 白馬は何もしてないのに、最後に死んでしまうなんてかわいそうすぎるわ。

T 今日は、スーホや白馬についてしっかり読みとり、わかったことや思ったことをたくさん発表してくれたね。

C もっと言いたいことあるのに。

(他にも「言いたい。」「いっぱいある。」と残念がる声、でも時間がない。)

T じゃ、その思ったことや言いたいことをこの紙に書いてもらおう。

今日の場面を勉強して、スーホと白馬を見て思ったことを書いて下さい。

(書いている途中にチャイムが鳴る。)

(まとめとして、スーホと白馬の心の結びつきの深さ、愛情の強さという点を板書してきちんとおさえるべきであったと思う。子どもたちの感想に出てきていたので、次時の初めにそれを読んでまとめをした。)

終わりの感想

 白馬はしんで土にうめられてはなれるより、楽器になってスーホのそばにいようと考えたんだね。だから、スーホと白馬の心は、白馬が馬頭琴になってもずっとつながっているんだね。

 スーホはとのさまに立ちむかった。それは、スーホが白馬とどんなことがあってもいっしょだよとかたくやくそくして、白馬の気もちがわかっていたから、立ちむかって言えたんだよね。ぼくもそんな人になりたいなあ。そして、あんなひどいとのさまのようにはなりたくない。うそをついたり、人の気もちのわからないとのさまは、とのさまになるしかくがない。ぼくは、人の気もちのわかるスーホは、白馬はしんじやったけど、馬頭琴をもって歌いながら友だちをいっぱいつくっているだろうと思う。
(知士)

 スーホは、白馬の心が分かってきょうだいのように思っていた。白馬もスーホの心が分かって大すきやったやろうな。でもとのさまにはなればなれにされてかわいそう。白馬は矢が何本もつきささっても走りつづけてスーホのところへ帰ってきた。でもその時はしぬということがわかっていたのかもしれないね。スーホもせっかく白馬が帰ってきてよかったと思ったのに、一日しかいっしょにおれなかった。スーホは本当に本当にかなしかっただろうな。かわいそうすぎる。馬頭琴には、スーホと白馬の心が入っているような気がする。
(美帆)

 白馬とスーホは、きょうだいのようだったのに、とのさまはスーホから白馬をとりあげた。そして大事にするのでなく、ころそうとした。おかしい。白馬が一等になって一番すばらしい馬だったから、自分のものにして自まんしたかっただけだ。本当に馬がほしかったのではない。スーホはくやしかっただろうな。どうして白馬はころされなければならないんだろう。白馬は、大すきなスーホのところへ帰りたかっただけなのに。スーホと白馬のくやしい気もちは、馬頭琴といっしょに草原中に広まったと思う。
(将和)

八、おわりに

 授業では、できるだけ多くの子どもたちの発言を保障していくことによって、いっそう作品の世界に浸らせていきたいと努めました。そのために手がかりになる言葉や文章はフラッシュカード形式にし、黒板には子どもたちの発言をたくさん書くようにしました。また自分の思いや考えを持ちながらも自分から手を上げて発表できない子には、書き込み時に「すごい、よく考えてるなあ」と赤丸をつけたり、場面ごとの感想を読んだりして自信を持たせたりしました。

 子どもたちは、登場人物と共に喜び、悲しみ、怒り、わが身にひきよせながら読み進めていきました。そして、仲間の発言に触発されながら新たなヒントを得て思いをめぐらし、読み深めていける子がふえてきました。そして何よりも、子どもたちが毎時間楽しんでとりくんでくれたことがうれしいでした。

 また、本読みになると一言も声が出ず涙が出てしまう、本時の授業でも何回も手を上げるが発言できなかった魁ちゃんが、二月の本読み発表会(参観日)には、「スーホの白い馬を読みたいと希望し、毎日練習し、本番は床に涙をボトボト流しながらも二ページ読み切ってくれました。

 これからも、いろいろな作品を通して、子どもたちと文学を読む楽しさを味わっていきたいと思います。

出典:「どの子も伸びる」/部落問題研究所・刊
(個人名は仮名にしてあります。)