動物26頭が犠牲に… ライオンに毒いりエサ
（動物園内の動物の慰霊碑）
いまはのどかな天王寺動物園ですが、この戦争で動物26頭が尊い犠牲になりました。
戦争がはじまると、食べるものがだんだん少なくなり、動物にやる食べ物どころではなくなってきました。食べ物がすくなくなり、体力が弱ってたおれていく動物もいました。
1943年5月、もし空襲で動物が逃げ出し人間をおそったらあぶないということで、全国の動物園で動物(猛獣)を殺すことになりました。
ゾウ、キリン、カバは、えさ不足や病気で死んでいきました。
1943年10月になって、ヒグマをはじめとして、飼育係の人たちがせわしたその手で、きょうは１頭あすは1頭、また４、５日おいて１頭というように、動物たちは犠牲になっていきました。
ヒグマやライオンは、毒いりのエサを食べさせられ、毒いりの肉をはきだしたヒョウは、いちばんかわいがっていた飼育係の人、自身のかけたローープで首をしめられて…。
戦争が終わってからも食べるものが不足し、体力が弱ってたおれていく動物たちもいました。
動物のいなくなったところの鉄の「おり」も軍にとりあげられようとしましたが、それは、また必要になるからと動物園の人たちは守りました。
動物園をおとずれたときには、戦争の犠牲となった動物たちや、かわいがっていた動物たちを殺さなければならなかった飼育係の人たちのことも思い出してください。
(科学教育研究協議会 柏木 功)
天王寺動物園の人たちの手で2006年夏「戦時中の動物園展」が行われました。戦争中に殺された動物たちと会うことができました。戦争中、鉄砲などをもたされたこともあるリタの写真もありした。（その後いつも夏におこなわれています）
