不発弾の発見と処理(北区)2008年
↑不発弾がみつかったマンションの工事現場。
不発弾のところに高さ4mの「防爆壁」がつくられている。
2008(平成20年)6月13日午前10時45分ごろ、大阪市北区長柄東2丁目のマンション建設工事現場で大型の不発弾が1つ発見された。陸上自衛隊によって戦争中にアメリカ軍が投下した1トン爆弾(アメリカ軍でいう2000ポンド爆弾)であることが確認された。弾頭部分に信管が残っているため、爆発する可能性もあり、爆弾のまわりに地上4m地下2mもの「防爆壁」がつくられた。
処理作業は7月13日、午前9時から行われ、信管がとりはずされ、無事運びだされた。
処理当日は北区民センターホール2階に対策本部が設置され、不発弾から半径300m以内は避難区域とされ、近辺の豊崎東小学校、豊仁小学校が避難場所になった。住民約5400人が避難、作業は30分で終了した。その間、近辺の道路や阪神高速は通行止め、バスも近隣区間を通らず迂回して運行された。水上バスも毛馬近辺へは行かない予定とされた。
伊丹にある大阪国際空港の着陸飛行経路直下にあるため、実施作業中は飛行機の離着陸経路が変更された。飛行機は通常は、羽曳野上空から淀川の毛馬上空、新大阪上空を通過して着陸するが、変更されたコースは羽曳野上空から堺市中心部に向かい、そこで右折して新大阪上空で左折または大阪市内上空で進路変更して川西側から着陸するというもの。パイロットが空港を視認しながら操縦する。南向きの離陸は離陸直後に東へ旋回するというもの。こちらはレーダー使用。
当日、対策本部に待機した機関・団体は陸上自衛隊、府警本部、大淀警察、都島警察、曾根崎警察、旭警察、水上警察、大阪市危機管理室、北区役所、都島区役所、旭区役所、北消防署、都島消防署、旭消防署、環境局、水道局、建設局、教育委員会、ゆとりとみどり振興局、大阪府危機管理室、西大阪治水事務所、日本赤十字社、NTT西日本、関西電力、大阪ガス、阪神高速、国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、大阪水上バス、MID都市開発KK、伊藤忠都市開発KK、ニチモKK、KK長谷川コーポレーション。万一の場合にそなえて万全の体制がとられた。
こんな爆弾が次々と落とされ爆発した空襲の恐ろしさは想像を絶する。大阪にあとまだ何発不発弾が残っているのだろうか。
案内人 柏木 功