大阪市内で戦争平和を考える大阪市内で戦争平和を考える

~未来は子どもたちの中にある~
ヤヌシュ・コルチャック

夏休みにあこがれの人、加藤剛さん主演の「コルチャック先生」を観ました。すばらしい演技でした。たくさんの子どもたちの歌声と演技もすばらしかったです。

コルチャック先生とはナチスのために、200人の子どもたちと共にガス室に消えたユダヤ人。医者であり、文学者であり、ポーランド人とユダヤ人の孤児たちのために孤児院を作り、心から子どもたちを愛し続けた人。彼は、自分だけの特赦を退け、自ら死をとりました。その行為は子どもたちが尊厳をもって死を迎えられるための応援であり、彼自身の尊厳ある最期を迎えるためのものだったように思いました。「コルチャック先生」(近藤康子著 岩波ジュニア新書)

ナチスの戦争犯罪の非道さを伝えて、深い感銘を与えてくれるもうひとつが「アンネの日記」です。アンネの関連書は「アンネの童話」「少女アンネ-その足跡」「アンネの青春ノート」「アンネのアルバム」など数種出ており、よく読まれていると思います。「アンネの日記」(アンネ・フランク 深町真理子訳文藝春秋)は、思春期の少女たちにはぜひ読んでほしいです。この日記のすばらしさを、訳者は「ユダヤ人迫害の不条理さ、非道さを教えてくれると共に、13歳のひとりの早熟で多感な少女の人間的成長の記録である。周囲の人々を見る彼女の観察や、描写力の確かさ、外の世界に向ける鋭く機知と洞察力に富んだ目。若者特有の悩みや、人間の描写に永遠の普遍性があらわれ、時代を越え、読むものの社会的・政治的立場を越えて幅広い共感を生む」と後書きで述べています。年齢を重ねて再び読むと、彼女のみずみずしい感性に改めて感動を覚えます。

写冥物語アンネ・フランク」(アンネ・フランク財団編)「写真物語アウシュヴィッツの手紙」(平和博物館を創る会編)共に<平和のアトリエ刊>は、映像を通して、戦争というものがいかに酷いものかを訴えています。

子どもたちが、日本の戦争時代に他国にも戦争があり、世界中に戦争にあったことを認識できるようになったら、外国の戦争児童文学にも目を向けさせたいです。

岩波書店

■ジュニア新書 256
コルチャック先生
【著作】近藤 康子
【ISBN】 4-00-500256-0 C0223
【判型】 新書判
【価格】 819円(本体 780円 + 税5%)
【発売日】1995年6月20日

文藝春秋

アンネの日記 完全版
【著作】アンネ・フランク・著  深町 眞理子・訳
【ISBN】 4-16-711403-8
【判型】 文庫判
【ページ数】 592ページ
【価格】定価(税込) 760円
【発売日】初版発行日 1994年4月10日

●平和のアトリエ

「写真物語 アンネ・フランク」(現在入手不能)
【著作】・ファン・デル・ロル,リュート〈Van der Rol,Rund〉・フェルフーヴェン,リアン〈Verhoeven,Rian〉/著 アンネ・フランク財団/編 難波収・岩倉務/訳
【NDC】K289
【判型】[A4 判] 29×22cm
【ページ数】64p
【価格】\2,039(税込) (本体価:\1,942)
【発売日】1992.12.06

 潮見 典子  1996

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