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~祈るように伝えたい~

 8月15日にテレビで祈るように語り続けたい~吉永小百合・原爆の詩12編を見ました。

 彼女の被爆者に対する思い、平和を願う思いが伝わってきて、その朗読に涙しました。吉永さんはこの朗読を10年前から始め、それ以来ライフワークにされ、これからも語り続けたいと語っていました。多くの原爆の詩を読み、調べ、作詩者と出会い、語り合い、自らでご一編を選びぬいての朗読には、真摯さと誠実さ、生き方そのものがこもっていました。だからこそ、聴く人の心をうつのでしょう。

 峠三吉の「序『ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ わたしをかえせ…』」その他「ヒロシマの空」「生ましめんかな」「うめぼし「慟哭」「子どもたちの詩4編(「げんしばくだん」「おとうちゃん」「先生のやけど」「無題」)灯籠ながし」「折づる」「永遠のみどり」どれもこんな思いは絶対にしたくない、してはならないと思わずにはいられない詩です。(CD「第二楽章」が発売されています)

 戦後52年8月6日

 原爆記念式典で広島市長は「核の傘に頼らない新たな安全保障体制を築く努力を」と呼びかけました。世界で最初に原爆被災した都市として当然の平和宣言です。

 原爆を体験した人だけでなく私たちもできるかぎり広島・長崎を、若い世代に語っていかなければならないと思うのです。原爆ドームが世界遺産の一つであることや原爆被災の体験録や写真記録や絵や詩・物語を通して。

 写真家山端庸介さん(当時西部軍報道部員)の被爆翌日の撮影をたどった「写真物語あの日、広島と長崎で」(平和博物館を創る会/編、平和のアトリエ/刊)は原爆の恐ろしさを、目瞭然に伝えています。悲しみを越えて写した写真家とご遺族の協力と悲願の結晶として生まれたこの写真物語は、恐ろしいけれど(子どもには発達段階を考えて見せましょう)8月6日と9日には広げてみたいと思います。

 原爆の恐ろしさ、核兵器の恐ろしさを忘れないで伝えていくために、一人の力は小さいけれど、私たちができる方法で伝えていくことが平和を守ることにつながるのではないでしょうか。

Victor

CD
第2楽章
吉永小百合 選/朗読
1997.06.21
アルバム / VICL-60050
\2,940(税込)

平和のアトリエ/刊
写真物語あの日、広島と長崎で
平和博物館を創る会/編
1994年07月発行
ページ 63P サイズ A4
2,310円(2,200円+税)
ISBN 4-938365-22-7
C-CODE 0036
NDC 916

 潮見 典子  1996.8.

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