戦後50年に残したいもの
ランドセルをしょったおじぞうさん
戦争の時代を子どもたちは、どのように過ごしていたのでしょうか。
市街地に住んでいる子どもたちは空襲が激しくなると、親戚のいなかに疎開しました。また、少し離れた村のお寺に集団で疎開しました。親と離れた淋しさ、いつもお腹をすかせていたつらさ、わが家は大丈夫かなという不安。これが、集団疎開での学童たちの戦争でした。子どもたちの安全を、命を守るための集団疎開でした。
しかし、疎開した子どもが、疎開地で敵機の機銃掃射で撃たれ、死んだのです。この事実を知った古世古和子さんは、その真実を探し求めて、神尾明治くんであったことを突き止めました。そして15年前に「家出ねこのなぞ」「ランドセルをしょったおじぞうさん」(いずれも新日本出版社)を出版しました。
ケンちゃん(作品中の名前)のお母さんは、機銃弾にあたって死んだケンちゃんのランドセルを、ケンちゃんによく似たおじぞうさんにかけたのです。そのおじぞうさんは、50年たった今でもランドセルをしょっていて、神尾明治くんの命日7月8日と8月8日と6月23日には、地蔵堂が開かれて見れるそうです。
古世古さんは、その姉妹編として6年前に「かかしの家」を発表していますが、今年.「『ひとりの子ども』をさがして」と合わせて、「かかしの家」(新日本出版社)を出版しました。後半の「『ひとりの子ども』をさがして」は、大人にぜひ読んでほしい作品です。
神尾明治くんの死は戦死とされています。その理由は、「学童集団疎開は、『次代の戦力を培養』するためで、『戦力の位置につける』ことだ。戦いの場についた者が、敵機によってたおれたのだから、『戦死と同じ…』と」
戦う意思の全くない、疎開先にいた、たった9歳の子どもが戦死だなんて…。
●新日本出版社
家出ねこのなぞ
新日本にじの文学
古世古和子/作 北島新平/絵
ISBN:4406012710
1979/11出版
[A6 判] 21cm 126p
販売価:\1,223(税込) (本体価:\1,165)
ランドセルをしょったおじぞうさん
新日本おはなし文庫
古世古和子/作 北島新平/絵
ISBN:4406006915
1980/06出版
[A5 判] 22cm 75p
NDC分類:K913
販売価:\1,020(税込) (本体価:\971)
かかしの家
新日本ジュニア文学館 6
古世古和子/作 北島新平/絵
ISBNコード:4-406-02363-1
1995年06月
20cm 169P
販売価格: 1,426円 (税込)
◆潮見 典子 1995.9.