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ベトナムに心を寄せて(2)

 岩崎ちひろが心を痛めたべトナム戦争は20年前に終結しました。しかし、その爪痕は、今なお深く残っています。お父さんやお母さんが生まれていた時代に起こっていた戦争を、今の子どもたちは知りません。自分と同じような子どもたちのなかに、べトちゃんドクちゃん(現在13歳)がいることを知ったらどう思うでしょうか。

松谷みよ子・文「べトちゃんドクちゃんからのてがみ」(童心社)を読んだ子どもは、次のような感想を述べています。

「2人のおなかがつながっていて、2人で足が2本しかない、とてもえげつない景色だった」

「私がべトちゃんドクちゃんのようだったら、いじめられてくやしくて自殺したかもしれない。べトちゃんドクちゃんはすごいな」

「アメリカ軍はどうしてべトナムにかれはざいをまいたのだろう。日本もどうしてべトナムにおしよせて米をとったのか私にはわからない」

「世界にはこういう人がいるんだな。ぼくはこういう人のために役立ちたいな。早くべトちゃんドクちゃんに元気になってもらいたい。

今春再手術のために日本にやって来るドクちゃん、今だに寝たきりのべトちゃんの現実を知ることは、子どもにとって、いや、おとなにとっても大切なことなのではないでしょうか。

童心社
 ベトちゃんドクちゃんからのてがみ
 松谷 みよ子・著/井口 文秀・画
 ISBN 4-494-00699-8
 B5変形
 1991年03月
 定価1,365円(1,300円+税)

 潮見 典子 1995.3.

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